ケータイ小説 野いちご

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彼女になれない彼女

ことの始まり

駅前すぐの銀座商店街横丁。
中心地のはずなのに、なぜか古臭く懐かしい。
昔から変わらない場所。
そこで私も平良(たいら)も育った。
私たちは横丁育ちの幼馴染みだ。

平良の家はバー。
カウンターにおじさんとおばさんが立っていて、平良は小さな頃から「店には顔を出すな」と言われて育ってきた。

一方、うちは隣に立つ串焼き屋。
定食もやっていて、座敷もあって、煙がモクモクしていて、私はいつも隅の席で夕ご飯を食べて育った。

平良はいつも500円を持って(平良の家と我が家の間の特別ルールがあった)うちに来て、一緒にご飯を食べて、宿題をして、テレビを見て帰っていく。

小さかった頃は、さらにおばあちゃんが平良と私をお風呂にまで入れてくれてたらしいんだけど、記憶にない。

とにかく私と平良は毎晩一緒にいた。

部活が始まって生活リズムが変わっても、うちでご飯を食べていくことは変わらなかった。

私は小学校5年を過ぎたあたりから、平良のことが好きだ。

高校2年生になった今も、平良のことが好きだ。


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