「お待たせいたしました!ネギ玉牛丼、特盛です!」

立ち上る湯気を揺らし、目の前に運ばれてきたたそれを見る。美味しそうにかおりたつ牛丼に、思わずおもいっきり匂いを吸い込んだ。
タレが染み込んだ牛肉の上に、ふわっと敷き詰められたネギ。頂上にはつやっと光る卵黄。

……はあ~~!これこれ!お腹すいてるときには、早くて安くておいしい牛丼がいちばん。
油断したらお腹なっちゃいそう。

「いただきます!」

数十分前のもやっとする出来事を振り払うかのように、勢いよく割り箸を割って、口に入るギリギリの量の一口を頬張った。