「ふぅ…結構手こずったな」
夏兄さんは乱れた服を直してリュードーさんを足で軽く蹴った
「やっぱ噂されてるだけはあるんだな」
…
どうしよう…
リュードーさんが
リュードーさんがっ
「てめぇっ！よくも！！」
浜田さんが夏兄さんに向かっていく
だめだ
わかる
浜田さんじゃ勝てない！
浜田さんの攻撃を軽く避け、後頭部に鮮やかな蹴りを決めた
浜田さんは気を失ってバタン！と倒れる
…どっどうしよう
「俺も…なんとかしなきゃ」
カイさんが前に出た
だめっ
思わず腕にしがみつく
「だめだよカイさん！今の夏兄さんには勝てないっ！」
「…くっ」
その事実を分かっているのは私だけじゃない
カイさんも拳を強く握りしめ、歯を食いしばった
「ねぇはなちゃん。こいつもただの低脳だろ？」
リュードーさんの体を片足でゴミみたいに扱う夏兄さん…
やめてよ
…やめて
「八つ当たりしたって問題ないんだよ？」
…ばっかじゃないの
「ねぇはなちゃ…」
「やめてっ！！！」
あとのことなんて考えずひたすらに走った
「篠瀬美花！」
カイさんの声が聞こえたけどもう知らない
とにかくとにかく！
これ以上リュードーさんを
私の大好きな人を！
バカにするな！！
