「絶対に無理はしないこと。今夜は早く帰ってくるから、その時なにか買ってくるから夕飯は作らなくていいからな」
「うん。」
理恵は部屋着のまま朝陽を玄関まで見送っていた。

朝陽よりも早起きしてなんとか朝食を作った理恵に、朝陽は心から感謝を伝えた。
朝陽は出勤前に朝食の後片付けや洗濯物を干してくれた。

「ありがとう」
その分だけ理恵は感謝を伝えて微笑んだ。

今日は朝陽を送り出したらやることがある。
朝陽には秘密だった。

「お風呂も入らないで待ってろよ?」
「うん。」
「じゃあ、行ってきます。」
「行ってらっしゃい」
二人は触れるか触れないかのキスをした。
いってらっしゃいのキスなんて、何年ぶりだろうか・・・。