夜中、理恵はあまりの寒さに目を覚ました。
季節は夏。エアコンが効きすぎている?

理恵はいつの間にか自分の隣で眠っていた朝陽を起こさないようにベッドを抜け出そうとした。

『ガタンッ!』つい足元がふらついて床に座り込んでしまった理恵。
その物音に朝陽が飛び起きた。
「どうした?」
すぐ理恵の隣に朝陽がしゃがみこむ。
「寒くて・・・」
理恵が体を震わせながら寒がる姿に、朝陽はすぐに理恵の体を抱き上げてベッドに寝かせると自分の厚手のトレーナーを出して理恵に着せた。
それでも震えの止まらない理恵に、靴下まで朝陽が履かせてくれる。
「ごめんね」
理恵があまりに申し訳なくなって朝陽に謝ると朝陽は理恵のおでこをつんと押した。
「ありがとうだろ」
そう言って頬む朝陽の顔は昔と変わらなかった。