理恵が目を覚ますと自分が病院のベッドにいることに気が付いた。
「理恵」
その声の方向へ顔を向けるとそこには心配そうな顔をした朝陽がいた。
「ごめん」
理恵が謝ると朝陽が深刻な顔をしたまま理恵を見る。
「体調、ずっと悪かったんだろ?」
「・・・でも原因はわかってなくて・・・」
「それでも体、おかしいって感じてたんだろ?」
「・・・」
「なんで言ってくれないんだよ。」
「ごめん・・・」
理恵が謝りながら体を起こそうとする。
「いたっ!」
手に力をかけてしまい、痛がる理恵の体をすぐに朝陽は立ち上がり支えた。
「右手に裂傷がある。縫合してあるから2、3日は動かさないほうがいい。痛み止め、追加してもらうか?」
朝陽の言葉に理恵は首を横に振った。