その日は家に帰ってからもゆっくり寝たため、次の日になればすっかり元気になっていた。

しんどければやはり心も弱くなるようで、元気になった今、今日からまた強くあろうと思えた。


できれば昨日のこと全部忘れたいけれど、そうもいかない。


「華蓮ちゃん、どうしたの?
さっきからキョロキョロして」

「え、あ…なんでもないよ!」


私の体調を心配した真由は、昨日の夜に“明日一緒に行こう”と連絡をくれて。

一緒に学校に来ていた私。


けれど最寄の駅に着いてからは気が気でなく、歩きながら無意識に“彼”の姿を探していたようだ。

“彼の姿”とは他でもない、光原先輩である。