私の頬を撫でて笑うのは、ひとつ歳上の光原先輩。
「光原先輩、戻りましょう」
「んー、じゃあキスしてからね」
いつも保健室にいるはずの金城先生は、今はいない。
なぜなら今日は全学年対抗の球技大会が行われる日。
グラウンドのテントに養護教諭として生徒を見ているのだ。
とはいえ金城先生のことだ、面倒くさそうにしているかもしれないが。
3種目に分かれて行われる球技大会。
バスケとバレー、ドッジボールの3種目だ。
私たちのクラスはドッジボールなのだけれど、今は空きで休みである。
一方で光原先輩はバスケなのだが、女子の応援がウザいという理由で試合を終えるなり私を連れ保健室に逃げてきたらしい。
つまり巻き込まれたのだ。