光原先輩の家はマンションの一室だった。

中には誰もおらず、リビングに通されるなりソファへ座るよう促された。


「俺も着替えてくるね」
「あ、わかりました」

自分の部屋へと行ったのだろう、リビングを後にした彼。


そして私はソファに座りながら周りを見渡していたけれど、黒系の家具が目立つているリビングだと思った。


キッチン近くのテーブルは薄墨色で、チェアーは真っ黒。

今座っているソファもグレーだし、ソファと向き合うように置かれてあるテレビもスタンドも黒。


けれど壁は白のため、より一層黒系の家具が引き立っていた。