放課後。


誰よりも速く学校を飛び出して

古びた商店街を駆け抜ける。

ZARAのショーウィンドウをチラ見しながら

タピオカ屋の隅にある暗い路地裏に入ったところ。





そこは、数年前までアンティークショップだったらしい。




凝ったデザインのドアを開けると賑やかな音楽が聴こえる。


その音につられるように階段を駆け下りて地下に向かうと



「あ、姫が来たよ〜♡」
「お前髪の毛どーした!?ボッサボサだぞ!?」


『優くんも大我も来るの早いね〜!笑
私も早く練習したくて走ってきたのに!笑』


「遅い。お前の歌声がないと始まらない。」
『ごめんって!黒山くん!』






その部屋の壁には大きく「starry sky」と書かれていた。



それは、私たちのバンド名。