「陛下…ご安心下さい。
ジョシュアは、すっかり私の虜です。」

「そうか…うまくいってるのだな。」

「はい、近いうちに良いご報告が出来ると思います。」

アンジェラはそう言って妖艶な笑みを浮かべた。



本当に美しい女だ。
しかも、頭も切れる。
ただ、それだけに、この者がなにか良からぬ企みをしているのではないかと心配になることもある。



表面上はとても従順だ。
だが、それを真に受けて良いものか…



余が伝えたことにも、彼女は容易に承諾した。
会ったばかりのジョシュアの子を産めと、余はそう言ったのに、さして驚くこともなくアンジェラはそれを受け入れたのだ。
普通の女ならば、そんなこと受け入れるはずがない。
余は彼女を脅すようなことは一言も言わなかった。
なのに、すぐに受け入れたのだ。



アンジェラは、その理由すらも訊ねなかった。
普通なら、気になるだろうに…



彼女は、子供の頃からずっととても貧しい暮らしをしていたという。
だから、金や名誉がもらえるのなら、どんなことでもすると言った。
確かに、そういう者は数多くいる。
しかし、その言葉を鵜呑みにして良いものか?
余は疑い過ぎているのか?