ケータイ小説 野いちご

約束〜二人で帰ろう〜

見えない指切り

監禁されて早三日。私と瑠璃ちゃんは話すことでいつも時間を潰している。

三回の食事とトイレとお風呂の時間以外は、この部屋の扉は開かない。私たちの食事を持ってきたり、トイレやお風呂に連れて行くのは元彼氏の妹。元彼氏と妹の息子には、誘拐された日以来会っていない。

私たちは食事を分けて食べ、同じ布団にくるまって眠る。ずっと瑠璃ちゃんとは一緒だ。

今も二人でずっと話している。

「元気になりたい時に聴きたいボカロは?」

私が訊ねると、瑠璃ちゃんはニコニコしながら答える。

「セツナトリップ!」

次に瑠璃ちゃんが質問をする。

「夏に聴きたいボカロは?」

「ウミユリ海底譚!」

こんな感じで楽しくお喋りする。しばらくボカロの話をした後、瑠璃ちゃんがごろりと寝転がった。

「私、誘拐されてよかったって初めて思ったかも」

「どうして?」

私も瑠璃ちゃんの隣に寝転ぶ。瑠璃ちゃんのきれいな目を見つめると、瑠璃ちゃんが目を細める。

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