ケータイ小説 野いちご

約束〜二人で帰ろう〜

始まった悪夢

朝六時。私、浜口立羽(はまぐちたては)はゆっくりと目を開ける。いつもの見慣れた私の部屋。

六畳の和室には大きな本棚が置かれ、たくさんの小説が並べられている。棚には大好きなボカロのCD。昨日買ってもらったCDを見て、私は幸せな気持ちでいっぱいになる。やっぱり夢じゃない!

今は二月。温かい布団の中から出たくはないけど、しば犬のヨモギの散歩に行かないと……。

私はパジャマから、ビッグシルエットのニットと黒のパンツに着替えてリビングへと向かう。

「おじいちゃん、おばあちゃん、お母さん、おはよう!!」

リビングではおじいちゃんが新聞を読み、お母さんとおばあちゃんが家族のお弁当と朝食を作っている。すっかり見慣れたいつもの光景だ。

「おはよう、立羽」

おばあちゃんたちは、笑って挨拶を返してくれた。私も微笑む。その時、私の足にヨモギが飛びついてきた。

「ヨモギ、おはよう!」

私が言うと、ヨモギは嬉しそうに尻尾を振る。お母さんと、四月から大学生になるお兄ちゃんが連れて来たかわいい家族だ。

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