初めて流山くんを知ったのは、
まだ入学して間もない頃のことだった。


学校へ向かう電車に揺られてつり革につかまりながら、
ぼんやりと外の景色を眺めていた。


着慣れない制服に、慣れない電車通学。
学校の最寄り駅まではまだ20分くらいかかる。


すると、目の前の席がふいに空いた。

いつもは混んでる電車なのに、偶然座れて

「今日はいいことあるかも!」


なんて思った私は甘かった。