あー。もうどうしよう。

まさかあんなふうに笑うとは思わなかった。

小さい頃から大好きだった、ふわりと笑う感じとか、えくぼとか、なんだか
あのときは全部がみっくんに見えてしかたなかった。

「どうしよう。みっくんのこと知られちゃったし。」

理人だってみっくんのこと大好きで、だから小城くんがみっくんに
見えちゃっただけなのに、今はどうしても理人に当たってしまいそう。

「海波ー!ご飯よー。降りてきなさーい。」

あれ、もうそんな時間なんだ。
でも今日はそんな気分じゃないなぁ。

「いらない。」

「こら!何言ってんの!」

「母さん。」

きっとお兄ちゃんがお母さんを説得してくれてる。昔からお兄ちゃんは
私のこと分かってくれてたからなぁ。