「・・・・・・く、・・・・・・ず・・・・・・」


ん・・・・・・?


何か、聞こえる。


何だろう?


眠いから、後にして・・・・・・。


「・・・・・・ずく、雫!」


「・・・・・・痛い」


何かが私の頬をぎゅっとつねって、その痛みで目が覚めた。


眠くてまだぼんやりした視界に、にひっと笑っている友の顔が映った。


「おはよっ、雫!」


ざわざわした朝の教室。


私を起こしたのは、金髪ギャル、七色翼(ななしきつばさ)


高校から知り合ったのだが、入学して一ヶ月にもかかわらず幼なじみのように仲がよい。


見た目は派手だし、シャツのボタンもいつも第三まで開けているから大きい胸の谷間ががっつり見えてぱっと見遊び人っぽいけど、中身は純情な乙女。かわいらしい友達だ。




ここは、花月高校。



ここら辺で1番問題の多い私立高校だ。


私立高校とあって、さすがに校舎は綺麗だが、はっきり言って学生の素行は最悪。


元男子校だったらしく、男女の比率は7:3くらいで、男たちの喧嘩はもう日常茶飯事。


女子も派手なギャルが半分、毎日ビクビクしながらひっそり暮らしてる女子が半分、って感じ。


いわゆる"不良校"ってやつに近いのかも。



――――その中でも特に、異質な奴らというものはやはりいるもので。