ケータイ小説 野いちご

お願いだから、俺だけのものになって

私は今
修行中なのかな・・・・


クリスマス直前の日曜の夜

商店街は
クリスマスイベントで
歩行者天国をしていて

腕を組み
見つめあったり
微笑あっているカップルたちが

幸せオーラを放ちながら
私の目の前を通り過ぎていく



私の家はお弁当屋


こんな真冬の
底冷えする夜に

彼氏いない歴16年の私に
外でオードブルを売れとは

なんて残酷なことをさせる親なの!!と
文句を言いたくなっちゃうけど・・・

彼氏がいないのは
可愛くもない
私のせいだよね・・・と
冷静に考える自分もいて

結局は惨めな気持ちになる・・・



クリスマスを感じない
自分の部屋にこもって
好きな漫画でも
読みふけりたい気分なのに・・・



お弁当屋の娘に生まれたから
しょうがないか・・・・




そんなことを考えていると・・・



「マッチ売りの少女みたいだね」


急に横から話しかけられた



「え?」




私が顔を上げると
綺麗な顔立ちの男の子が
優しく微笑んだ



「そんな格好じゃ寒いよ
   
 はい、これ」



その男の子は
自分の首に巻いていた
紺色のマフラーを取ると

私の首に
ふわりと巻いてくれた



「ね、この方が温かいでしょ?」



温かいけど・・・



なんで?

こんなことしてくれるの?



私がなんと返事したらいいかわからず
固まっていると・・・



「このオードブル
 売らなきゃいけないんでしょ?」



「うん」



「俺が売るの手伝ってあげる」



そういって彼は
オードブルを1つ持って
遠くの方に走って行ってしまった




「・・・・・ん?


 待てよ・・・・・

 これは・・・

 オードブル泥棒??????」



どうしよう、どうしよう



オードブルが盗まれた???



お父さんに言った方が良い?・・・



それとも警察??



と考えていると・・・・




「ん?

 んんん???  


 えええええええええええ!!!!!!!」



なんと女性たちをぞろぞろ連れて
彼は帰ってきた



「このお姉さんたち
 オードブル買いたいって」



「・・・・・・・」



「早く、お会計してあげて」



「は、はい」



私はこの状況が理解不能・・・



でもこの人のお陰で
オードブルが完売になった




「ありがとうございます」



「全部売れて良かったね
 
 ねえ、名前聞いてもいい?」



「私・・・
 成瀬美紅(なるせ みく)です」



「俺は長谷川奏多(はせがわ かなた)

 商店街入ったところの
 桜木高校の1年」



「私も高1です
 常盤女子高ですけど

 あの・・・

 なんで売り子の手伝いを
 してくれたんですか?」



「寒い中
 一生懸命オードブルを売ってる姿が    
 マッチ売りの少女みたいだったから」



それって
どういう意味だろう・・・



良い意味なのか悪い意味なのか
全く分からない・・・



「あ、バイト代払いますね

 お財布取ってくるので
 ちょっと待っててください」



そう言って
急いで店に入ろうとした時


「バイト代なんていらないよ
 そんなつもりで
 手伝ったわけじゃないし」



「でも・・・」



「それじゃ

 美紅って呼んでいい?

 俺のことは奏多って呼んでよ」



「・・・奏多君でも
 いいですか?」



「まぁ、君付けでもいいよ

 でも、同い年だから
 敬語はやめてよな」



「はい・・・
 わか・・・った」


ぎこちないタメ語に
奏多君は微笑んでくれた



「もう一つ
 美紅にお願いしちゃおうかな」



「なんですか?」



「だから、敬語は禁止!

 今から俺と
 駅前広場のクリスマスツリーを
 見に行かない??」



「えええええ???」



彼氏いない歴16年。



男の子に誘われたことなんて
人生で一度もなかった



サンタさん!!



今年の私へのプレゼントは
このイケメン君と
デートですか???


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