「んー、いつ来ても綺麗なとこ」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「あれ、どうしたの芽衣ちゃん」

「いえ、なんでもありません」

「そう?初めて来たから緊張しちゃってる?」

「まあ、そんなとこです」

「まあ主な申請は私がやるから、芽衣ちゃんは碧と一緒にいてねー」

「え、俺?」

「あったりまえでしょ。碧は申請したことないんだし」

「ま、そーですけど」

魔法協会

その建物が今私の目の前にある

憂鬱すぎる

まさかこんなことになるとは

「まだ入って三日ですよね」

「そーね。早い方がいいし」

生徒会に入ったのがつい三日ほど前

そして今、魔法協会への加入申請に来ている

何故こんなにも早い。作業がなぜ早い

にしても、またここに所属することになるとは思ってもなかった

私の敵、みたいなものだし

「ささっ、行こ」

琴葉先輩はキラキラとした目で、建物を見上げている

一方大郷くんは、そんな琴葉先輩を半ば呆れたように笑いながら見ていた

・・・・・・私が魔術師ということは、今のところバレていない

しかしこの容姿でバレてはひとたまりもない

この前も名前、呼ばれたし

割とまずいかも

「あの、私建物の外で待ってていいですか」

「外にいるのはちょっと厳しいかな。魔力を測ったりするし。まあその時には呼ぶから碧といてくれると助かるかな」

・・・・・・だいぶまずい

魔力を測られたらまずい

魔術の耐性を測られてもまずい

どれもこれも魔導師級

表情には出さないが、かなり慌てている

父に言えばなんとかなるかもしれないが、頼りたくない

どうする、私