*** 『人を斬るのってどんな気持ちなの?』 幼い少女の問いに、笠を深くかぶった男は驚いたように振り返る。 その頬には返り血がついていた。 右肩を押さえ尻餅をついていた男は、その隙に一目散に逃げ出す。 『ねぇ、どんな気持ちなの?』 初めて血を見た少女の目には、怯えも嫌悪もなかった。 笠の男は、とっさに言葉がでない。 と、猫っ毛の男がこちらに走ってきた。 『無事か。…どうした?』