ケータイ小説 野いちご

偽恋人からはじまる本気恋愛!~甘美な罠に溺れて~

第一章 双子姉妹の入れ替え作戦

初夏の太陽の光が燦々と降り注ぎ、瑞々しい若葉が煌めく五月。

はぁ、眠いな……さて、仕事しますか。

昨夜は今日も仕事だということも忘れて海外ドラマに夢中になってしまい、ベッドに入ったのは深夜三時だった。

“有坂愛美(ありさかまなみ)”と自分の名前の入った社員証を首から下げ、あくびをかみ殺して出勤途中のコンビニで購入したコーヒーを啜っていると、私はにこにこ顔で近づいてくる先輩に嫌な予感を察知する。

「有坂さん! ごめん、この書類を計算して部長に提出しておいてくれない?」

返事も待たずに先輩は私のデスクにポンッとそれを置いていく。

「……わかりました」

出た! “今夜彼氏とデートなの、だから残業できなくって”ってパターン?

「助かるわ~。今夜彼氏とデートなの、だから残業できなくて……よろしくね」

頭の中に浮かんだセリフと全く同じ言葉を残し、先輩はルンルンで自分のデスクへと戻って行く。

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