ありえない。

熱があったとはいえ、
あんな事しといて何で覚えてないの…?

しかも私は何に対してこんなに泣いてるの?


ファーストキス奪われたから?
忘れられてるから?
何で止まってくれないの…?



「あれ、芹奈。おはよぉ」

後ろから肩をポンっと叩かれ振り返ると、
しーちゃんが微笑んで立っていた。

「…しーちゃん…っ」

私は泣きながらしーちゃんに抱きついた。

「え?芹奈?」

しーちゃんは動揺しながらも私が落ち着くまで頭を撫でてくれた。



しーちゃんがいてくれて良かったよ。