#09


 リビングに向かうと、マサオミくんが我が家の愛犬、ノブナガと戯れていた。

 ノブナガはグレートピレニーズという、真っ白な大型犬だ。


「やめろって。くすぐったい」


 ノブナガは人懐っこい。

 それにしてもマサオミくんのことが大好きだ。


「こ、こら。ノブナガ。マサオミくんのこと、舐めすぎ……!」


 止めに入ると、

「全然いいよ」

 とマサオミくんが大きな手でノブナガの頭を撫でた。


「夜遅くにごめんね」

「どうしたの?」


 わたしの問いかけに答えたのは、お母さんだ。


「お土産もらったの。雅臣くんのお父さん、出張から帰られたんですって」


 机の上に視線を向ける。

 そこに置かれていたのは、縦長の長方形の箱。

 色は、オレンジがかった黄色。