「イラナイ」
――――悪魔だ。
サラサラの黒髪に対比する、白い肌。
切れ長の鋭い目。
スラリと長い脚。
一見、王子様みたいなのに――
「まだ、なにも言ってないでしょ?」
よく見ると耳に、数えきれないくらい、ピアスがついていて。
女の子が一生懸命、
気持ちを込めて書いた手紙を
たった四文字で切り捨ててしまうなんて。
「見ればわかる。オマエの手にあるそれが、くだらないものってことくらい」
わたし、和泉古都(いずみ こと)は、
桝田義久(ますだ よしひさ)を敵と見做(みな)す。
――――悪魔だ。
サラサラの黒髪に対比する、白い肌。
切れ長の鋭い目。
スラリと長い脚。
一見、王子様みたいなのに――
「まだ、なにも言ってないでしょ?」
よく見ると耳に、数えきれないくらい、ピアスがついていて。
女の子が一生懸命、
気持ちを込めて書いた手紙を
たった四文字で切り捨ててしまうなんて。
「見ればわかる。オマエの手にあるそれが、くだらないものってことくらい」
わたし、和泉古都(いずみ こと)は、
桝田義久(ますだ よしひさ)を敵と見做(みな)す。