事件発生から数日後、藍と大河は隣町を訪れていた。

車の地名に書かれていたのがこの場所だった。二人は山本咲が監禁されていた場所を調べるため、ここに来たのだ。

「……と言っても、どうやって監禁場所を特定するんですか?」

「山本咲の衣服に、動物の毛が付着していたの。調べてみたら猫の毛だった。恐らく猫を飼っている家に監禁されていた……」

「でも、猫なんて日本中に普通にいますよ」

隣で不思議そうな顔をする大河に、藍は言った。

「山本咲の手の甲には、引っ掻き傷があったでしょう?」

「はい……。あっ!その傷は猫に引っかかれたもの?」

大河の目が輝く。

「あの傷口はかなり深いものだった。もしかしたら、その猫に山本咲のDNAが付着しているかもしれない」

藍がそう言うと、大河は「あ、あそこに早速猫がいますよ〜」と言い猫に近づいていった。



その頃、警察署では相変わらず山本咲の事件の捜査が続いていた。

「被害者は恐らく、学校を出てから家に帰るまでに拉致された……」