「いや〜。夏休みっていろんなことがあるもんだな」


長いようで短かった夏休みが明け、また学校生活が始まった。


いま私の目の前には、腕を組み、なんだかしみじみしている堀田くんがいる。




「堀田くんに言われたくないんだけど……」

「えー、そう?」


ムスッとする私に、堀田くんはとぼけたように首をかしげる。


その横には凛ちゃんもいて、少し照れたように笑っていた。



だって、私だって驚いてるんだもん。凛ちゃんと堀田くんが付き合ったこと。


そりゃあ凛ちゃんの恋は応援してたけど、チャラ王子の堀田くんがこんな短期間で恋人を作るだなんて。

まぁ、堀田くんが凛ちゃんを特別視してたのは、あの海の日からなんとなく気づいてはいたけど。