「べつにわざわざいいのに」

「そういうわけにはいかないもん」



夏休み最終日。


私は、ひとりで菊caféへとやってきた。



夏休み中だけという約束でバイトをしていた飛鳥くんは、どうやら来週までは働くらしい。


けど今日は休みらしくて、飛鳥くんに「ついてこないで!」と念押ししてやってきたんだ。



目の前には、うさぎさん型のクッキーと、菊川くん。


菊川くんがいるからと、飛鳥くんはだいぶご機嫌斜めなご様子だったけど、今回ばかりは遠慮してもらった。



だって私の目的は、菊川くんじゃない。