ケータイ小説 野いちご

エリート外科医は甘く強引に溺愛する

強引なプロポーズ


十月も半ばに入って、秋の涼しい風がひんやりと感じられる季節になった。スッキリとした秋晴れのこんな日は、お弁当でも持ってどこかへ出かけたい気分だ。

学生の頃は自由気ままに生きていた気がするのに、そういうわけにもいかないのが社会人というもの。

私は電子カルテと睨めっこしながら今日の段取りを頭に叩き込んでいく。

オペ予定が三件と、オペ前カンファが二件、オペ前後の患者さんの検査がもろもろ、入院が三件、退院二件。

今日もなかなかハードな一日になりそうだ。

その証拠に朝の申し送りが終わった途端、私の後ろではバタバタと忙しない足音がして、たくさんの人の声が飛び交っている。

「バイタルチェックお願いね!」

「検査まわってー!」

「オペ出しの時間迫ってるよ、急いで」

帝都大学附属病院。

ここは私が勤務する都内はもちろん全国各地から多くの患者さんが訪れる日本一と言っても過言ではない大学病院だ。

循環器科、消化器科、呼吸器科、腎、泌尿器科、脳外、救急外来、心療内科、産婦人科、血液内科、小児科、耳鼻咽喉科、さらには口腔外科まで、一通りの科が揃っている。

その中でも特に有名なのが心臓外科と消化器外科で、他の診療科に比べて医師の人数が圧倒的に多い。

特にここ一年での発展は群を抜いて凄まじく、テレビの特番やニュースでも取り上げられており、全国から治療が困難だと診断された患者さんが毎日のように訪れている。


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