「原口、悪い。今日委員会ひとりで出席してくれないか?」
昼休み、教室で親友の梨乃とお弁当を食べていると、クラスメイトの堤(つつみ)くんに声をかけられた。
私たちは共にクラスの美化委員を務めている。
「うん、いいよ。サッカー部でなにかあるの?」
箸を置き、私の席の隣に立つ堤くんを見上げると困ったような表情を浮かべていた。
「ああ、放課後、緊急ミーティングがあるらしくてさ」
そう言って日焼けした手でパーカーのポケットからスマートフォンを取り出す。
「サッカー部にはそんな切羽詰まった問題があるわけ?」
私と机をくっつけてお弁当を食べている親友が口を挟む。
「いや、ないと思うんだけどなあ。本当ごめん。次は出席するから!」
拝むように手を合わせて、サッカー部のロゴが入ったパーカーの裾を翻し足早に去っていく。
「大変ね」
梨乃が艶やかな顎下までの黒髪を耳にかけながら言う。
「そうだねえ、運動部ってやっぱり忙しそうだね。いきなり呼び出されるなんて」
「違うわよ、ナナに言ったの」
自他ともに認めるしっかり者の親友に胡乱な目を向けられる。
昼休み、教室で親友の梨乃とお弁当を食べていると、クラスメイトの堤(つつみ)くんに声をかけられた。
私たちは共にクラスの美化委員を務めている。
「うん、いいよ。サッカー部でなにかあるの?」
箸を置き、私の席の隣に立つ堤くんを見上げると困ったような表情を浮かべていた。
「ああ、放課後、緊急ミーティングがあるらしくてさ」
そう言って日焼けした手でパーカーのポケットからスマートフォンを取り出す。
「サッカー部にはそんな切羽詰まった問題があるわけ?」
私と机をくっつけてお弁当を食べている親友が口を挟む。
「いや、ないと思うんだけどなあ。本当ごめん。次は出席するから!」
拝むように手を合わせて、サッカー部のロゴが入ったパーカーの裾を翻し足早に去っていく。
「大変ね」
梨乃が艶やかな顎下までの黒髪を耳にかけながら言う。
「そうだねえ、運動部ってやっぱり忙しそうだね。いきなり呼び出されるなんて」
「違うわよ、ナナに言ったの」
自他ともに認めるしっかり者の親友に胡乱な目を向けられる。