第4章  2016年




警視庁刑事部 捜査1課 堺マコト
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この男はやはり何か持っている。
そう感じざるを得ない活躍だった。


神ってる男こと神野が1課に来てから、
一気に戦局が動いた。


きっかけは楽器店の防犯カメラ。

1台残らず全てぶっ壊されていたが・・
“1台残らず”に神野が疑問を呈した。


「高そうなギターもいっぱい置いてあるし、

この主人・・用心深い性格だったかもしれないですね。」


「確かに・・こりゃ知らないと見つけれないぞ・・。」



壁という壁・・・
店内をぎっちりと覆い尽くしたギター。


まるでパズルのように、その隙間・・死角に配置された3台の防犯カメラ。


仮に犯人が下見にこの店舗を訪れたとしても、

格段に難易度が高い、防犯カメラ探しを果たして達成できただろうか。


そこから神野は、
“被害者と犯人は顔見知り”・・

もしくは、“犯人はこの店舗の関係者”

という推理を立てた。