第１章 １９９９年
ジャニーズアイドルグループ
嵐 ＣＤデビュー
神奈川県警 東条ケン
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「ご苦労様です。」
通報のあった黒部家へ着くと、先に準備をしていた新谷が玄関の前で待っていた。
「犯人から連絡は？」
「まだありません・・。」
「こっちとしては好都合だな・・。
逆探知の準備は？」
「いつでもいけます。」
大きく頷いた新谷と共に、
靴を脱いで家の中へと入る。
「・・・・・・・・・・・・。」
案内されたリビング。
新谷からの紹介を受ける必要も無く、
私の眼前に・・祈るように両拳合わせ、
肘をついた男性が憔悴していた。
「県警の東条です。」
「・・・・・ﾊｲ・・・。」
「お嬢様は必ず。」
「・・・・・・・・・・・。」
この家の主、そして被害者の父、
黒部テルヨシさんは、
聞き取れないほどのかすれた声で“よろしくお願いします”と私に発してくれた。
