「欄か?タカのケータイに電話かけてくれ。繋がんねぇんだ」

「大山先輩!?今どこにいるんですか?!課長怒ってますよ(>_<)」

 あたしは、受話器を左手でおおいながら、出来るだけ声を低く、課長の耳に聞こえないくらいの声量で大山先輩に、くってかかった。

 時計の針は、午前9時を指し、確実に大山先輩と、高遠先輩は完全に遅刻だった。

 いまだに署に連絡もなく、出勤していない2人の先輩達に、課長はえらくご立腹だった。

 大山先輩と会話しているあたしの耳に。

「あの二人は朝から顔も見せないで、何処にいるんだ!え?」

と、自分のデスクにガツンッ!と分厚い資料を叩いていた。



大山先輩のバカァ(*_*)



高遠先輩も何してるんですかぁ(:_;)?



「もしもし?大山先輩?もしもし?あっ」

 電話はすでに切られていて、受話器からは。ツーツー。と、むなしい音が響いていた。

「加納君。高遠と大山は何処にいるんだ!連絡はないのか?!」

 課長がジロリと睨みながら聞いてきた。

「さ、さぁ。私は知りませぇんf^_^;い、今の電話は大山先輩じゃありませんでしたしぃ(-.-;)」

 あたしは、わざと大袈裟に首を傾げながら、自分のデスクにそそくさと戻った。



あ、高遠先輩に電話しなきゃ。



 あたしは、高遠先輩のケータイに連絡をいれた。

「お掛けになった電話は電源が入っていないか、電波の届かない所にあります」

 冷たいアナウンスの声が返ってきた。



ナンジャソリャア~(-_-)



もぉ~!!



 留守番電話にもならない高遠先輩のケータイに悪態をつく。

「加納君、ちょっと来てくれ」

 課長の呼び出しがかかった。



イヤァ゛ァ゛ァ゛ァ゛~(O_O)



 まるで気持ちは、ムンクの叫び だった。



先輩達が来ないのは、あたしのせいじゃないですぅ(:_;)



「・・・何でしょう?」

 ため息まじりの、切ない声が、あたしの口から出た。

「昨日言ってた”M”のチケットだ。確か潜入は今日だったろ」



ち、違った・・・。