ゆっくり目を開けると

・・・ん?

ここはどこだろう?

フカフカのお布団に寝ている私


・・・えっと


亜樹さんと倉庫へ行って・・・

自己紹介して・・・


「あ!」


自分の唇に触れた

亜樹さんにキスされて・・・

大泣きして・・・

それから・・・


・・・それから


手繰り寄せる記憶がそれ以上出てこない

泣き疲れて寝たのだろう


「子供か」


自嘲的に呟くと
ゆっくり周りを見た

ベッドしかない部屋だけど
このベッドはダブルどころの大きさじゃない

誰の部屋?そう考えながら
横向きに寝返ると

ふわりと香ったのは


理樹さんの匂いだった


「・・・えっと」


益々混乱する頭の中に

亜樹さんにしがみついて泣く自分しかなくて

どこでどうやったら理樹さんなのか?
でも・・・ここは
私の隣の理樹さんの部屋じゃない

実は香りだけ同じで理樹さんじゃないとか?


また脳内お喋りが止まらない私を


「起きたか」


理樹さんの声が止めた


「あ、は、はい」


ベッド脇に腰を下ろした理樹さんは


「大丈夫だ」


と頭を撫でた


「あの、ここは」


「ここは俺の家」


・・・は?


「普段はここで暮らしてる」


おいでと手を引かれて立ちあがると
夕方より少しマシに足が動いた