ピピピピピピ・・・



毎朝同じ時間に鳴るアラームを
毎朝同じ動作で解除・・・


「ん?」


スマホのアラームを止めようと
伸ばそうと


いや


手が動かない


てか


「え?」


動き出す脳内と動かない身体
目の前に見えるのは

クロスチャームの付いたネックレスの胸元

胸元?


「え?」


誰だか知らない人の腕の中に
閉じ込められてるーーーーーっっ


「うるせぇ」


「へ?」


「朝飯までまだ時間がある寝ろ」


「あ、あの・・・」


「寝ろ」


「・・・はい」


有無を言わせない物言いに
“はい”なんて返事をしてしまったけど

足先までガッチリとホールドされ
身動きの出来ない私は

幼気な女子中学生・・・

男子といくら近くても
50センチ以上近付いたことなどない

それなのに

密着している感触は
間違いなく裸のもので

・・・ど、どうしよう

胸元が見える→上半身は裸確定

もしや・・・

下半身も・・・


「キャーーーーーっっっ」


ドドドド・・・


パーーン


「どうした琴!っ!テメー」


唸るような重低音が響いて
ガバッと拘束が解かれた

私を捕らえていた人物は
畳の上に落とされた模様


「っイテェ」


「何やってる!」


私の悲鳴で駆けつけてくれたのは理樹さんだったようで


「琴、大丈夫かっ!何もされてないかっ」


私より焦っている模様