瑠依(ルイ)
✖️
翔平(ショウヘイ)

初めて死を見つめたのは15歳の時だった

「アイツさえいなきゃいいんだ……」

「私はただの道具に過ぎない……」

「それでも、戦うことが出来ないのは私の弱さか」

わずかに残るタバコの匂い
そして、身体中にはしる痙攣

「どこがいい……?」
「お前は本当にあの母親に似てるな」
「あいつも俺に狂うほど腰をふらせたな」
「ククククッ……お前も同じように俺の餌になればいい」
「ンンンッッ……やめて…お願い…苦し……殺して…あたしのこと殺して……お願い……。」

「お前は馬鹿か?それとも誘ってるのか?」「俺がどれだけ悲惨な男か知っていての言葉か」
「クククッッ……笑わせるなよ」
「だいぶ俺好みの身体になってきたな」
「お前は死ぬまでずっと俺の肉便器だ」
「やっぱり母親ににていい顔だ、身体も程よく成長して…あいつも最後の最後までお前と同じように殺せと頼んできたよ……クッ……お前のあそこも全て…アッ…もっとだ…もっと苦しがれ……いや……苦しくしてやる…」
「ッッバチン……」

「イヤァァァァア……泣…」

首を掴まれて意識が朦朧とする中アイツが私の膜内に汚らしい異物を流し込んでくる感覚だけが残っている。
その時だった……
どことなく流れる洋楽と臭く汚いあいつの身体が私の目の前でただ呆然と倒れている

暗く薄汚れたこの部屋に貴方が立っていた。

あの時はまだ、10歳の私には、現実を受け入れるだけの時間も考えるだけど知識なかった。

瑠依(るい)、私の名前は母がつけてくれた名前だった。母はいつも私のために必死に働いて何不自由なく生活が出来ていた。だけど、毎週土曜の夜になると母はどこが後悔をするような表情で必ず夜の9時にやたら小綺麗にした格好で出て行っていた。

そんな時間がすぎていったある冬の雪が深々と降る12月25日クリスマス。

母は帰って来なかった。