あれから三日──。
「ねぇねぇ、コジローくん。今日は部活がないんでしょ? だったらあたしと遊ばない?」
「ずるーい、あたしも! カラオケ行こうよ!」
「結局、この前はお昼もスルーされちゃったしぃ!」
「だよー、次こそはうちらと遊んでよね」
斎藤くんがフリーだと知ったクラスの女子たちが、きゃあきゃあ言いながら斎藤くんを取り囲んでいる。
いつどんな時でも、斎藤くんは人気者で、すごくモテる。
特にクラスでも目立つ花岡さんたちの四人組の女子のグループは、派手なメイクと髪型でかなりの注目を集めている子たちだ。
斎藤くんのいる派手な男子のグループと、よくみんなで一緒に遊んだりしているらしい。
「なんでコジローばっかりー。俺らとも遊ぼうよ」
「えー、やだぁ、あたし、コジローくん狙いだから」
「はは、俺ってばモテモテ?」
いい加減で思わせぶり。それがいつもの斎藤くん。
「今フリーでしょ? だったら、チャンスだもん」
「花ちゃんがコジロー狙いとか知らなかったし! 俺、ショックだわ」
「二人、お似合いじゃん」
──ズキン
やだな、やめてほしい。
そういう会話、聞きたくないよ。