今日はいよいよ体育祭当日。

学校の最寄駅で先輩を
待っていると今日も耳に
イヤホンをした先輩が
改札を通り抜けた。

雫「先輩!おはようございます。
いよいよ体育祭ですね!
それで、デートの話なんですけど
体育祭終わりにクレープ
食べに行くのはどうですか?
先輩、今日は部活休みですよね?」

聞いてないのか聞こえてないのか
相変わらず、私を無視した先輩は
スタスタと学校へと向かって歩き始める。

雫「絶対、優勝しましょうね!
先輩の事、声が枯れるまで
応援しますから!頑張りましょう!」

それでもめげる事なく
4歩後ろから話しかけ続けていると
校門の手前でイヤホンを取った
先輩はこちらを見る事なく言った。

瀬那「...北見も...頑張れ。」

クールな先輩の優しい言葉。
先輩の頑張れだけで
1年くらいは頑張れそうなほど
めちゃくちゃ嬉しい言葉だった。

雫「はいっ!頑張ります!」