ケータイ小説 野いちご

揺蕩う空へ魔法の句を

古墳はね 王族である 証だよ




翌日の昼、いつもの授業を始める。珍しく天くんは縁側に座って空を眺めていた。

「今日は古墳時代ね。古墳時代は、古墳が作られていた時代のこと。この時代に大和政権と呼ばれる統一が進み、朝鮮半島などから進んだ文化や技術などが伝わったんだ」

「大和政権とは、大和地方…現在の奈良県を中心とした連合政権なんだ。大和政権の首長は、大王と言われている。この言い方は、天皇と言われるまで続いたんだよ」

「…次は、肝心の古墳の話。多くは王や有力豪族の高く土盛りした墓。その形で円型の円墳、四角形の方墳、円形と四角形が合体した前方後円墳がある。表面は、石がれきが敷き詰められ、古墳の周りには素焼きの土製品、はにわが置かれているんだ」

「……じゃあ、渡来人の話に入ろうか。渡来人とは、古代に中国・朝鮮から日本にやってきて定住した人々のこと。渡来人は、漢字、仏教、儒教など色々なことを伝えたんだよ…古墳時代はこんな感じかな」

私が義昭を見つめると、義昭は「今回はお前が句を詠んでみろ」と私を見つめた。

「…は!?」

「……私、句を詠むの苦手なんだけど」

私がそう言うと、義昭は早く読めと言いたげな目を私に向けた。私は頭をフル回転させる。

「……古墳はね 王族である 証だよ」

「下手か」

「むっ!だから、詠むの苦手だって言ったじゃん!」

私は色紙に筆を滑らせながら言う。義昭は色紙を覗き込んで「次いでに字も下手」と言った。

「すみませんね!でも、普通に読めるから良いじゃん!下手なのは認めるけどさ」

私はそう言って天くんに色紙を渡した。

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