義昭は紫ちゃんを住むことを許した。紫ちゃんが増え、家は一気に騒がしく――はならない。しかし、家族が増えたような気分だ。

「今日は安土・桃山時代を勉強だー!」

私は朝日を浴びながら伸びをした。相変わらず義昭は無表情。しかし、いつものように冷めた目ではなく、少し暖かい目をしていた。

「今日は、安土・桃山時代ね。安土・桃山時代は、室町幕府が滅びた1573年から1603年に江戸幕府が開かれるまでの時代。信長が築いた安土城と秀吉が晩年を過した伏見城のあった桃山の名からこう呼ばれていんだよ!」

「織田信長は、尾張――愛知県の戦国大名なんだ。全国統一を目前に、本能寺の変で明智光秀に攻められて敗死したんだ。1560年、織田信長が今川義元を尾張の桶狭間で破った戦いが桶狭間の戦い。1575年、織田信長・徳川家康が甲斐――山梨県の武田勝頼を破った戦いが長篠の戦い!ここで初めて戦で鉄砲が使われたんだ」

「1582年、明智光秀が本能寺で織田信長を襲って敗死させた事件が本能寺の変なんだ。明智光秀は、織田信長の家臣なんだよ」