「だって、不安になるじゃないですか。こんな写真見せられたら、いろいろ考えてしまいます。
もしかしてこの日、私と会った後にこの女性とも会ってたのかなとか、このままホテルに入って朝まで2人で過ごしたのかなとか…、でもそんなこと聞けないじゃないですか。

怖くて聞けないですよ」

一粒の涙が頬を伝い、床の上に落ちる。泣きたくなどないのに、コントロールが効かなくなっていた。

それを見た拡樹は様子が一変。あたふたとしだす。

「あ、ごめんなさい、泣かせるつもりはなかったんです。

すいません、いじめ過ぎました…」

恵巳のそばに立ち、ハンカチを差し出す。

「本当ですよ。拡樹さんのせいですからね!」

「ごめんなさい。ちゃんと、説明させてください」


そのまま2人はソファーに座り、恵巳が落ち着いたのを見計らって、拡樹は話し始めた。