「連れてきたわよ〜」

緩い喋りで二階にある幹部部屋と思わしき所の扉を開ける。

「ちょっとアンタなんでそんなに仰け反ってるのよ」

「無理無理無理!!」

絶対にその部屋には入らまいと、
折れている手(ギプス)で壁のへこみを抑えながら抵抗する。


「無駄な抵抗はやめなさいよ」

グイグイと引っ張る照彦は半分面白がっているに違いない。

ってか私がここ来たことだけでも褒めて欲しい。


絶対壁から離れないっ!

終いには扉に足を掛け、部屋に入りたくないと態度で示す。