「ねぇー良かったの?2万も取っちゃって」

カラオケの帰り、そう呟いたユーミン。

「大丈夫っしょ?だってあの子お金持ちだし」

「…それもそうだね!」

正確に言えば“青木のお連れ達”だけど。

「じゃあねー!麻美、ユーミン」

Y字路で麻美達は右へ、私は左へと足を進めた。

少し歩けば、静かな住宅街。

そこに私の家はある。

だけど、誰も帰ってはこない。

多分みんな家が嫌いだから。

白い外観に二階建て。そして車庫がある。
一般的な家。

でも一つだけ。

みんなには持っていて、私にはないもの。

それはー…