次の日
また同じ朝が来たんだと目を開く。
そして1%の期待を込めて携帯を開く。
1%の期待は叶わず今日も4月7日。

真「これを何回繰り返すんだよ今日も寝坊でしょはぁ(ため息)そう言えば時間見てなかった今何時?」

もう一度携帯を開いて見る。

時刻は6:21

真「今日は寝坊じゃない!」
目覚める時間も同じ時間を繰り返していると思っていた真マコトは物凄く驚いた。

今日は早めに準備を終わらし
駅まで歩いて行くことにした。

7:07
とぼとぼ歩いてると横をバイクが猛スピードで通り過ぎた。その瞬間何かが飛んできた。

真「何これ?手ぬぐい?」
拾って周りを見るとさっき通り過ぎたバイクの人が一瞬こっちを見ていた。

真『あの人のか走るか』

早起きをして時間にも心にも余裕がある真マコトは
黒いバイクを走って追いかけ始めた。

真「はぁはぁあのー落しましたよぉ」

大きい声を出して呼ぶ。
すると、バイクがスピードを落とした。

「なんだ?」

真「はぁはぁあ、あのこれ」
息を切らしながら手ぬぐいを見せる真。

「あーさっき俺が飛ばしちまったやつかもういいやって思ってたんだけどわざわざ走って持ってきてくれたんだなありがとな」

真「いえ」
真『なんだ走らなくてよかったのか無駄に疲れたじゃん』

「お前今からどこ向かうんだ?」

真「長浜駅です」

「長浜駅か、送ってやるから後ろ乗れ」
ほいっとヘルメットを投げてきた男。

真「え、いや大丈夫です」

「手ぬぐい届けてくれたお礼だ早く乗れ」

真「いや、ほんとに大丈夫です」

「たくっ、遠慮すんな」
バイクを止め歩道に入ってきて真を軽々抱き上げバイクに乗せた。

真『ドキッ』
結構イケメンな男にお姫様抱っこされて
胸を高鳴らせる真マコト。

真「下ろしてください」

「喋ってっと舌噛むぞ」

黙る真マコト。

「真面目だな笑」

真「はい?」

「なんでもねぇ」

バイクを走らす男。
初めてのバイクにドキドキが止まらない
真マコト。

あっという間に駅に着いた。

真「ありがとうございます」

「お前名前は?」

真「真です」

「真か、俺は達馬タツマ達者のたつに馬で達馬超俺に似合ってんだろ?笑」
自慢げに話す達馬タツマ。

真「ピッタリですね」

達馬「お前の漢字は?」

真「真実のしんで真です」

達馬「お前も真面目の真で似合ってんな」

真「バカにしてます?」

達馬「褒めてる」

ふと、バイクにもたれ掛かる達馬タツマの姿を見た真マコト。

真「達馬さん鳶職人トビショクニンなんですか?」

達馬「あぁ」

真「かっこいいですね」

達馬「俺からしたらお前の方がかっこいいけどな」

真「え?」

達馬「人の落し物必死に届けるとかかっけぇ、しかも、バイク乗ってる相手を全力で追いかけるって足どんだけはえーんだよ笑」

真「体が勝手に動いちゃって私元陸上部なんで走るのは得意です」

達馬「どんだけいい人なんだよ笑流石元陸上部言い走りっぷりだったぞ笑」

真「えへへ」
照れ笑いをする真マコト。

達馬「真さぁスカート履けよ可愛いんだから」

真「え?」

達馬「悪ぃ言わねぇでいい事言った忘れろ」

真「何それ?自分勝手すぎませんか?」
ほっぺをプクッと膨らませる真マコト。

達馬「勉強頑張れよ」
と真マコトの頭をぽんとしバイクに乗って行ってしまった。

達馬タツマの行動に思考回路を止められ達馬タツマが見えなくなるまでボーッと眺めていた真マコト。

マンガみたいなことが2度も起きて1日中浮かれ気分だった真マコト。大学の帰りには服屋さんにより達馬タツマに言われた通りスカート系の服を買った。
達馬タツマの事を考えながら眠りについた。