今日から抜け出せない女
花森真ハナモリマコト。

彼女は今日を繰り返し毎回違う男と出会い何を思い、何を知り得るのか。



彼女が今日から抜け出せなくなったのは普通に毎日が流れていたら一週間前のこと。

4月7日(火)
今日は大学生活初日、
大学の入学式の日である。

「ふぁー」
大あくびをしながら起きて
時計を見て焦る。
真マコトは大学生活初日にして寝坊をしてしまった。
真「やべぇ寝坊じゃん」

急いで準備をし家を出て
バス停に向かった。

バス停に着くとバスを待つ長い列、並んでる人は全員サラリーマンばかり。

9:15
真『おっさんばっかじゃん』
後ろからつんつんとされ振り返ると周りのおじさんよりシャキッとした高身長の社会人男性が立っていた。

真「何?」

男性『何?』

男性「リュックのチャック開いてますよ」

真「まじ?ありがとう」

男性『まじ?ありがとう?』

リュックのチャックを閉めていると

男性「ねぇ君高校生?」

真「いや、今年から大学生」

男性「あ、大学生だったかごめんなさい」

真「大丈夫」

男性「大学生ならその話し方はやめた方がいいんじゃない?」

真「え?何のこと?」

男性「初めて話す相手にはタメ口はダメだと思うよ」

真「ダメ?あ、」
口を手でおさえる真。

男性「はははっ君いい子なんだね。敬語話せる女性は素敵だと思うよ」
笑顔を見せる男性。

真『ドキッ』
真マコトの胸が高鳴る音が聞こえる。

真「いや、私が敬語を話したところで素敵な女性にはなれないですよ」

男性「素敵な女性に見えるよ」

真「え?」

男性「君なんて名前?」

真「花森真です」

男性「真ちゃんかぁ可愛い名前だね俺は永瀬清臣ナガセキヨオミよろしく真ちゃん」

真「清臣さん」

男性「俺と真ちゃん3個しか違わないから好きに呼んでいいよ」

真「じゃあ清くんって呼びます」

清臣「清くんか笑 そんな呼ばれ方初めてだよ」

真「じゃあ私だけ特別ですね」

バスが来て乗り込む。
清臣キヨオミは真マコトを先にバスに乗せた。

清臣「そこに座りな」
と空いてる二人席を指さす清臣キヨオミ。

真「はい」

清臣「この時間はおじさんしか居ないからあまり乗らない方がいいよ」

真「そうなんだ、そうなんですか」

清臣「はははっほんといい子だな笑」

真「そんなことないです」

降りるバス停に着くまで二人で話をした。優しくてイケメンな清臣キヨオミのことをいいなぁと思う真マコト。

清臣「じゃあまたね」
とバスを降りていった清臣キヨオミ。

真『また明日も寝坊しようかな笑』

彼の影響で話し方が変わった真マコト。
1日を普通に終え眠りについた。