“パァァン”



真っ暗な空に銃声の音が響き渡る。



猫が鳴き、目の前でターゲットが崩れ落ちる。



足元に広がる真っ赤な液。



私は、成星高校(せいしょうこうこう)2年の松平 佳蓮(まつだいら かれん)。



「ボス、任務完了」



短い言葉だが重みのある言葉。



任務完了って簡単に言えば、ターゲットを無事殺しました…って言ってるってことでしょ?



まあ、実際ところはそうなんだけどね




ボスは、私達の中でシャルレットって呼ばれてる。




何でかはよく分かってないんだけど、シャルレットがそう呼べって言うから、そう呼ぶことにしたの。




「ねぇ、シャルレット車お願い」




【なんでだ?】




「返り血浴びたから、見られたら捕まっちゃうじゃん」




【そうか…気をつけろって言ってるのに…。5分ほどで向かわせる】




「助かります」




そんな会話をして、通信機を切る。




正直、捕まっても殺せるぐらいの力はちゃんとある。




あるけど、私まだ高校生だしバレたら面倒臭いから毎回こうしている。




それに、1度だけ高校の先生を殺したことがあるし…。




あの時は、首にナイフを持ってった時にバレたんだっけ




先生に



《嘘…だろ…》



って呟かれて



「本当です」



ってそんな会話をして終わったんだっけ…。





懐かしいなと感じながら、待っていると目の前から足音がした。




それに続いて、荒い呼吸音。




誰か来る…そう確信した私は、ナイフを取り出し隠れていた。




すると、角から現れた男は凄く綺麗でかっこよかった。




初めて見た男は、一瞬で私の心を奪いそのまま持ち去っていった。




そして…




「あの…」




声を掛けた瞬間に…





【姉さん、迎えに来たよ。乗って】





弟の、来海(らいかい)が車の中から呼んでいた