バイトが休みの今日は朝から山に来ていた


榊の姿はなかったけど
私は気にせず社の修理に取りかかっていた


なんの知識も技術もない素人の修理だから
時間はかかってしまってるけど


少しずつ少しずつ


社は本来あるべき姿に戻りつつあった



「……お社、勝手に直すのは本当はいけないことだよね……」



ぽつりとひとりごと


だけど多分もう


この場所を、この社を

訪れて、拝む人はいない



本当ならあんなにぼろぼろになる前に
然るべき人が然るべき処置を施していたはず


だけどそれがなかった


あの日も思ったことだけど



つまり



忘れ去られてしまったんだ



この社とここに祀られた神様は




「…」