「ねぇ、遼ちゃん私のこと好き?」


「え。なに、いきなり。こんな道の真ん中で」


朝の登校中、彼氏の遼ちゃんに問いかけた。


駅から、高校までの途中にある商店街を通って
いるときだった。


だけど彼は、慌てたようにあたりを気にしている。


耳がうっすら赤くなっていて、照れているみたいで可愛い。


「ねえ、好き?」


なかなか返事をしてくれないので痺れを切らしてもう一度尋ねる。


「富田、そんなの、今答えられるわけないだろ、後で言うから」