翌日。

「お先に失礼します」

「はい、お疲れ様でーす」

会社を後にすると、直木くんとの待ち合わせ場所である立ち飲み居酒屋へと足を向かわせた。

立ち飲み居酒屋に顔を出すと、
「あっ、こっちです！」

直木くんはカウンター席で飲んでいた。

私は彼の隣に並ぶと、
「お疲れ様です」
と、声をかけた。

「お疲れ様です、何か頼みますか？」

直木くんの手からメニュー表を受け取ると、私はそれに視線を落とした。

店員を呼んで、いくつかメニューを注文した。

「それで、話って何なの？」

店員を見送ると、私は直木くんに声をかけた。

「実は…最近、彼女が浮気をしているんじゃないかと疑っているんです」

直木くんは言いにくそうに話を切り出した。