お見合いから1週間後、私は宇奈月さんと一緒に住むことになった。

「さすが、社長だ…」

60階建てのタワーマンションの48階に彼は住んでいた。

大企業中の大企業の社長だと、私は思った。

部屋なんていくつあるんだよ…。

しかも、
「広過ぎるんですけど…」

荷物が全部運び込まれた部屋の中で、私は呟いた。

全部運び込まれたのに、まだ広いって本当にどうなっているんだよ…。

「終わったか?」

宇奈月さんが部屋に入ってきた。

「の、ノックぐらいしてくださいな!」

と言うか、人の部屋に勝手に入ってくるな!

「いいじゃないか、どうせ一緒に生活するんだ」

宇奈月さんは何がおかしいんだと言うように言い返した。

クソ、1ヶ月の同居生活が終わったら絶対に断ってやる。