「あーすかー!」



「一花!」



クラスが別々な私達は、毎度屋上でおしゃべりをする。



これが日課だ。



「昨日どうだった?」



「へ?何が?」



なんのことがさっぱり分からないでいると



「spadeの人たち泊まりに来たんでしょ?」



「あ、うん。」



「どんな感じだった!?」



「あー、なんかお兄ちゃんが4人になった感じ…?」



みんな、私に甘かったような…



「うわー!めっちゃいいじゃん!」



「そ、そう?」



「みんなでご飯食べて、おしゃべりして…あ!」



と、急に何かを思い出したようで



「どうしたの?」



「spadeのLIVEのチケって、余ってたりしないかな?」



「え?」



「いや、クラスの子でね?仲いい子なんだけど、その子spadeのことめっちゃ好きでさ、LIVE行きたがってるんだけど…」



「あ、ちょっと待って聞いてみる。」



今日も一応家にいるspadeメンバー。



流石にもう起きてる時間だろうし、電話をかける。



「もしもし?」



『どうした、我が妹。』



「あ、うん。あのね、土曜のLIVEのチケットって1枚余ってたりしない?」



私たちの会話を聞いていたのか、隼人さんが



『確か、1人キャンセルが出てチケット1枚なら余ってたと思う』



と答えた。



「それ抑えられない?」



『妹の頼みなら…聞くしかないな!』



「あ、ありがとー。隼人さんもありがとうございます!」



その後電話を切ると



「どう?」



「いけたよ!」



「まじー!?あすか様々だわー!」



「そんなことないよ」



「その子のこと紹介するね」



「あ、うん」



「今から呼んでくる!」



「え、今から!?」



一花は走っていってしまった。



ものの数分で一花ともう1人ちょっとケバめの女の子が来た。



「あすか、この子がさっき話した子。亜子っていうの」



「亜子です」



「あ、あすかです」



「あすかがspadeのチケ1枚余ってるからって」



「まじ!?めっちゃ嬉しい!」



「良かったです。」



「じゃぁそろそろ帰る?」



「あ、一花私友達と帰るからー」



「あー、分かった!じゃぁ、LIVE楽しもうね!」



そう、LIVEは明後日まで迫っていた。



「一花、帰ろ」



「うん!」



「あの子には言ってないよね?」



「うん、もちろん言ってないよ」



「うん、いつもごめんね?」



「いいよいいよ。」



「じゃ、また明日ね」



「また明日」



そして、家に帰ると…



みんなリビングで寝ていた。



「もう…こんな所で寝て、風邪ひいちゃう」



みんなそれぞれ1人づつにブランケットをかける。



さーて、夜ご飯作りますか!



明日はリハーサルで、向こうに行っちゃうし…



スタミナ系がいいかな…



焼肉にしよ!



鉄板を出して、お肉も出す。



野菜を切って、サラダを作って…



こんなもんかな?



そして、みんなを起こす。



「みんな起きてください!ご飯出来ましたよ!」



「ん…あ、あぁ」



「んー?」



「……」



「んー、まだ眠い」



「みんなシャキッとして!!ご飯抜きにしますよ?」



そう言うとみんな一気に立ち上がった



ふふ…



「うわー!焼肉だー!」



「うまそ!」



「いつもありがとうございます」



「いえ。こうやってみんなで食べた方が楽しいし、美味しいですから。」



そう言うと、お兄ちゃんが少し寂しそうに…



「いつも1人にしてごめんな。」



といった。



「なーに言ってんの!どうせ、向こうに引っ越したら嫌でもご飯食べる回数なんて増えるでしょ!ほら、食べよ?」



そう言うと



「あすかぁぁぁ!」



「ちょ、待って!ほんと気持ち悪い!」