突然ですが、私はお姫様のお部屋にいます。


....いや、別に頭がおかしくなったとかではなくて、ほんとうにそうなんです。



ふっわふわな真っ白ベッド腰かける私。


そして。


目の前には、大きな瞳をキラキラと輝かせるお姫様。



どうしてこんな状況なのかというと....。



──────遡ること、10分前



律くんの家でさ迷っているところを、声をかけてくれた女の子。



「あの、どなたですか....?」


訝しげに見つめられて、はっと我に返る。



「っあの、私蒼唯未桜といって。律くんのクラスメ「も、もしかしてお兄ちゃんの彼女、ですか....!?」



律くんのクラスメイトです、という私の言葉を遮る彼女....って、ちょっと待って。


いま''お兄ちゃん''って....?



「律くんの妹さん、ですか....?」


「はい....!桜雅律の妹の、桜雅尊(おうが みこと)です」



はにかむように笑う尊ちゃんは、さすが律くんの妹....というか。


思わず見惚れてしまうほどの、整った容姿をしている。